小河氏別邸は前庭、主庭、中庭、裏庭、側庭の構成になっている。
主庭は池泉回遊式庭園。
石橋、石貼橋、十三重塔、数種類の灯篭、なかでも張出し石上の雪見灯篭を見ると財力の誇示的な庭造りだ。
京風の繊細な庭と雲泥の差を感じる。
主庭は好みで無いが前庭のアプローチの園路はやはり良いと思う。
中庭に入ると縁先手水鉢が変わっている。
また、降り蹲があって雨時には排水の調整をするのだろうか、池として見立てるのか良く判らないが面白いと思う。
でも、宮家が宿泊するとなると少し寂しい感じがするので、杉苔でも植えられていたのでないかと、独断で思う。
側庭、ここも貴人用便所などの縁先手水鉢がある。
縁先からの見え方を考えると殺風景な感じ、ここも竹垣で囲われた苔庭では。
苔庭だと仮定すると蹲の廻りに役石も無くポツンとあることが説明できると思う。
そして、門を入った所にオヤッと思うものがある。
菊の紋の三州形灯篭。
一般の家では使えないものだから宮家が来た時に下賜されたものだろうか。
そんなこと色々想像しながら庭をじっくり見るのも面白いものだ。