彩都見学後はホテルでフォーラム。
その最後の対談で「住宅建築」編集長の植久直人氏のお話が一番興味深かった。
住宅雑誌のプロが
広瀬鎌二氏設計の既存住宅の印象を語っている。
1959年に平屋の46㎡の住まいを建設、その後改修をして住み続けてこられた物件である。
その住宅が数十年間、別の設計者によって改修されてきた。そして広瀬氏ならこうするであろうと言うコンセプトで改修されてきたし、住まい手も当初の設計者の意図を考えながら住まわれ続けられてきたと言うことである。
そして、植久氏は現在住まわれているこの建物について、ウーンと唸りながら、
「伊勢神宮のような・・・」という感想を ぽつり。
長い年月の生活感が染み付いているのが常識的と思っていたので、その言葉が私の感性に突き刺さる。
帰宅早速、インターネットで調べてみた。
住宅のリノベーション
普通は安易に増築してしまうところであるが、面積もそのまま、清楚な生活、数十年経ってもイメージを維持してきたことなどに、住まい手の住むことに対する強い意志を感じる。
収納に対しても、設計で懇切丁寧に収納を作ることの必然性が問われる。
住宅について考えさせられるお話であった。