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ベカコ(無双窓)

私が住んでいるところは線香の町である。
現代の線香はタブの樹皮粉などを使った香料入線香であるが、江戸・明治期の線香原料は杉葉の粉が主であった。
しかし淡路島は杉と縁遠いところである。
何故、ここが線香の町であるかと言うと、
瀬戸内海と言う海上交通の便の良さと良港に恵まれたこと、また瀬戸内海型の乾燥に適した気候風土によるものとも言われている
その線香工場では1階で素麺状に押し出した製品を2階の干し場で乾燥させていた。
そのなごりが写真のように、地元での名称であるベカコ(無双窓)で自然の風を調整して乾燥させていたものだ。
このベカコは先日ブログで載せた無双窓みたいな綺麗な納まりではなく、すごく簡単な荒い納まりである。
しかし、20年ほど前にアルミ製で作った時はかなり頭をひねった覚えが微かに残っている。

そんな風物詩であるベカコと線香の香る町並みであったが、現在は密閉した機械乾燥場での製造と言う線香の町になっている。

生活が大事、ノスタルジーは要らないと言う現代である。

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木製ベカコ

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20年ほど前に作った
アルミ製ベカコ
by zawawam | 2005-10-31 07:54 | 木製建具

アクセス解析と木製建具

ホームページを作って3年が経つ。
一度リニューアル更新しようと思いながら、そんなこと新たに勉強するエネルギーもだんだん無くなってくる思いがする。
お金を出せば、綺麗なHPになるのであろうが、決断もせずにズルズルと。

ところで、時々アクセス解析を見るが、当社の検索で多いのは木製建具についてである。
木製建具については他のHP調べても参考になるようなことの記載がかなり少ない。
そこらが建築屋さんのデザイン的なノウハウだから出し惜しみするのだと思う。

当社ホームページ1年間の検索事項の順位は
1行司工務店、2舞良戸、3行司、4無双窓、5木製建具、6蔀戸、7障子デザイン・・・・
など木製建具ばかりについて調べに来る。
先日も建具納まりについてのTELもあった。

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舞良戸
襖引手の裏側

建築専門の方ばかりが見て頂いて、一般のお客さんとは「なんか・・・縁遠い」感じがいつもする。
情報発信をすればするだけ新しい情報も戻ってくると言うこと、期待して発信しているのですが「実も伴わなきゃ」とも思ってみたり・・・・。
 
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無双窓
海福寺 本堂横の水屋
無節の無垢材の仕事をする
節が無い方がやはり綺麗だ。


by zawawam | 2005-10-28 08:14 | 木製建具

足洗い場

お化粧直しです。
ただ、黒く塗り直して撥水剤を塗っただけでよみがえった。
この足洗い場、長く長く考えデッサン何回もしたから7~8年経っても愛着心がある。
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こんな小さなこと説明する機会がなかなか無かったが、ブログだからこそ表現できる。
手洗いはデザイン的に薄い石に、蛇口はセパ割りと水を出した時に水しぶきが飛び散らないように排水口を落水点に合わして考えた。
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またホース付きの蛇口は農機具や車がすぐに洗えるようにそしてゴチャゴチャしないように裏面にすることでスッキリとなっている。
足洗いの蛇口はセパ割りとまたバケツが無造作に置けるようにコンクリートで跳ね出しにし、排水は泥が多いので排水パイプでなくそのまま流すことにしている
「コレ良いでしょう」とまだまだ人に自慢している足洗いである。
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by zawawam | 2005-10-26 08:02 |

影響された私

このブログ、最初書くつもりなんか微塵も無かった。
「家と人」の編集長加藤氏のセミナーを聞きに行き、ブログを読んでみると書いてみようかなと思わされてしまった。
セミナーでの加藤氏の話し方は魅了されるものであり、ブログでは文面からフワァーとした雰囲気が漂い出してくる。
部外者であるのに私が一番影響されてしまった。
このセミナーに誘ってくれた友人のKさん、「あの人はきっと生まれ育ちが良いからあんな文書ける。」と言っていたが、
16日の別離のブログを読んであのやさしさは炭鉱での子供時代の感受性の強い時期に、人の悲しみをたくさん味わい、人へのいたわりが育まれる環境からであると思った。
情景や息遣いの聞こえる文書であるとも思った。

それにしても会社の山田三十路さんの「泣くもんか」は面白い。
でも、加藤氏のことがフィクションであるとしても、会って見て実際とのギャップがどうしても判らない。

文面と関係ないのですが、人の深層心理のこと考えて。
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参考
家と人 11号
鈴木明美
 心に棲む鬼(リヴァープレス社)


心に息づく鬼の体現が社会を善の方向に導く
人の心や事象に取り付き派生した邪心や魔に対峙するための怒りの表情
by zawawam | 2005-10-19 08:29 | ざわわ日記

風土

昔、一寸バイブル的な存在であった和辻哲郎の「風土」を本棚から30年ぶりに取り出してみる。
パラパラめくると、古本の匂いと文書の硬さが滲み出してくる感じがする。
もう、全部読み返せない年齢になってしまった。
老眼鏡のせいであろうか。
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長い長い論文を簡単な言葉にするのには無理があるが、この中に西洋と日本の家についての記述がある。
心の「うち」と「そと」とは、日本では家であり、西洋では個人であると言う。
自宅の廊下も日本では内であり、西洋では道路の延長としての意味づけされ、そして日本の家の中はうちであり仕切り「へだて」は頑強なものでなく衝立ほどの意味しか持たない。
「へだて」の意思とは襖や障子であり、他の人によって常に尊重され、かつ相互の信頼に基づいたものである。

現代は家の中にも鍵を掛けた頑丈な扉にする。そして西洋的な廊下に対して閉鎖空間を作りあげる風潮である。
しかし、これからは家づくりも日本の昔のような心の「へだて」のような間仕切りでいいのではないかとも思ってしまう。
最近は小さな家で、移動できる家具での間仕切り、30㎜ほどの無垢板だけの簡単な取外し可能な間仕切りなど、将来の家族構成で変幻自由な家づくりをしてみたいと思うようになった。

学生のようにくどくどと書く、時には頭の体操に。
by zawawam | 2005-10-17 08:11 | ざわわ日記

旧家の知恵袋

この家、当初の規模からかなり解体撤去され本家の一部だけ残っている。
その残存する旧家の一部からも玉手箱のように面白い納まりなどあり興味のつかない家である。
防犯
寝室の天井はイガ栗を並べ、その床下の空間も寝室部分は頑丈に壁で区切られている。
家の中でも2重の囲い部分。
他の部屋との間は襖や障子だけでなく覗き穴付の木戸で間仕切られている。

e0042581_834080.jpg網戸部分防犯上格子付

e0042581_835913.jpg防犯上、雨戸からの覗き穴

e0042581_841322.jpg 寝室と仏間との間は襖+木戸

階段
e0042581_843832.jpg一般的な箱階段

e0042581_84502.jpg短い長さで上りきる階段 
良く考えられている。
大工さん共々感心しきり


開き戸の掴み取手と仏間の線香煙出し
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石積塀
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by zawawam | 2005-10-14 08:30 | ざわわ日記

ICAS工法とマイナスイオン

先日横浜で開かれた初めてのICAS工法の講習会に参加させて頂いた。
冒頭、開会の挨拶のなかでアーテック工房の吉松社長の
 「それ、配線が間違っているのでないでしょうか」
と強い信念の言葉が印象深かった。
研究室の飼育箱内で、ラットが獰猛になって興奮状況であると聞いての言葉である。
よくよく、調べてみると学生が飼育箱を移動する時にプラスとマイナスの配線をどうやら間違ったらしい。
そこでICASの配線を逆にするとおとなしく良好な生育状況になった。
プラスイオン環境では人などは獰猛になり、マイナスイオン環境ではリラックス環境になる。
社会的に見ると都会の繁華街で深夜犯罪喧嘩の発生率が増えるのもプラスイオンの影響とも言われている。

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多賀の浜から
  見る夕日

自然界ではマイナスイオンの多い環境は滝周辺であるとも言われている。
そのメカニズムは
落ちていく水滴が岩に当たって砕ける時に
大きな水滴はプラスイオンを持ち
小さな水滴はマイナスイオンを持つ
そして大きな水滴は落下して消滅し、
小さな水滴がマイナスイオンを含んだまま空中を浮遊する
そのことによりマイナスイオンの多く含んだ滝周辺の環境を作り出す。

そんなマイナスイオンの環境を室内空間で作り出せるのがICAS工法である。
ICAS工法のシステムとは室内の壁天井に液状炭を塗りそれを導体として地盤に埋設したアダプターと接続することによりマイナスイオンの多い抗酸化性能住宅を作り出す。

今回、この講習会で技術の方に色々お聞きし、ICASの疑問点がかなり解消できた。
ICAS技術を知りその技術の未来を思って、横浜の夜が更けていった。
by zawawam | 2005-10-12 08:32 | 炭と建築

リフォーム+増築

O邸リフォーム+増築完成しました。
設計は倉田裕之/建築・計画事務所

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by zawawam | 2005-10-10 07:54 | ざわわ日記

唐松の家 思い入れ

10年ほど前、私が気に入った絵を買った時、家族はブーブー。
そんなお金が在ったなら 私の○○が買えるのにと・・・・・
それは大きな大きな絵だから そんなの掛ける所が買った時点では無い。本当に無かったのだ。そして「無駄遣い」との合唱である。
そうこうするうちに新築をすることになって、まず一番に考えた事はこの絵が似合う壁を作ろうと言うことである。
家があって飾るものを買うのでなく、物の為に家をつくる。
他人が聞いたら笑うかもしれないが、そのことに設計上かなりのウエイトを置いていた。

そうしたことから、新築に当たり どうしてもと言う思いのある家庭もある。
それを我々建築屋が真摯に受け止めることも大事である。
ここではエッチングガラスでありステンドグラスである。
エッチングガラスは娘さんがデッサンし、お気に入りのステンドグラスはまた同じものを作って頂いた。
そうした思いれのあるものを飾る場所選びにかなり悩んだがそこに嵌め込んでみると、絶対にここしか考えられないように納まっている。
エッチングガラスは玄関正面にそしてステンドグラスは既存蔵の妻壁でバランス良く並んでいる。
e0042581_749499.jpge0042581_7494311.jpg天井杉板
壁左官ジュラク
床石洗出し


e0042581_7553878.jpg左写真
左右窓ステンドグラス

下写真は蔵内部。
天井既存のまま
壁は既存曲がり板でも実加工
床は琉球畳敷

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e0042581_756454.jpg左写真はD・K
天井 赤松34㎜
壁 杉リブ加工柿渋塗り
by zawawam | 2005-10-07 07:58 | 唐松の家

唐松の家 つり合い

重厚さのある旧家の敷地内。
「ここでの建物デザインは釣り合いが難しいですよ。」
「デザインよりもう寒いのは嫌、快適に暮らしたい。」とお施主さんの言葉。
OMの2階建にするとどうしても旧家に似合わないのでは。
有名な建築家であると周辺に合った良いデザインになるのであろうが、予算とわが身の才能は如何にしても追いつかない。

もう直感的に、デザインをこね回さず、緩衝を間に置く事にした。

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古い石積の塀側は
コンクリート打放しの塀を置くと
連続性が出てきた。

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また、本家側は当初解体予定の蔵を残して緩衝体にすることにした。
この蔵とOM建物との取り合いは斜めにすることと玄関のFIXガラス窓に一工夫することで違和感が無くなった。
すると、大工さんから真直ぐだったら簡単で手間も要らず利益も上がるのにと、経営者思いの言葉も頂く。
ナンヤカンヤと建物が賑やかに出来上がった。
そして、100年以上の歳月のタイルと伴に、
この新しい家も一日一日新たに歴史を刻むことになる。

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by zawawam | 2005-10-05 08:01 | 唐松の家